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Playwright MCPを使って特許調査

1.はじめに

  • Playwrightとは、ブラウザ操作を自動化するライブラリ。

Playwrightは、Microsoftが開発したWeb UI自動化テストフレームワークです。Playwrightは、クロスブラウザ対応や高いパフォーマンスが特徴です。Chromium、Firefox、WebKitの3つの主要なブラウザエンジンをサポートしており、これにより多様なブラウザ環境でのテストが可能です。
  • 最近、このMCPが出たということで、より人間の指示が柔軟になりました。ブラウザを言葉で動作させられるので、J-PlatPatもいけそうだな、と思い、特許情報プラットフォーム(JplatPat)を活用した特許調査の実践記録をお届けします。今回は「岩石風化促進法」をテーマに、実際の検索プロセスから技術動向分析まで、一連の流れを詳しく解説します。





2.使い始めまで

  • まずはPlaywright MCPサーバを追加しないといけないので、追加します。今回はCursorに入れました。この記事を参考に、MCPの設定を追加します。


これだけでOK!

{
    "mcpServers": {
      "playwright": {
        "command": "npx",
        "args": [
          "@playwright/mcp@latest"
        ]
      }
    }
  }

こんな感じにグリーンになれば使えます。


ree



3.調査実行

  • 次に、下記のような感じで文章でお願いします。

# JplatPat 検索テスト

## ユーザの調査対象に関する特許出願の調査

1. ユーザとのやりとりで、調査対象を明確にする
2. jplatpat(@https://www.j-platpat.inpit.go.jp/p0100 ) にアクセス
3. 「論理式」入力タブにユーザ調査対象の検索式(キーワードや IPC からなる検索式)を入力
4. 検索ボタンをクリック
5. 検索結果が表示されることを確認
6. ヒット件数とその出願リストを確認
7. 出願リストからわかる技術動向をレポートにする。

  • これをCursorのAgentモードにしたとこに貼り付けて(e2e-test-prompts.mdに書いたのでこんな表示です)

ree


  • まずヒアリングから

ree


  • 岩石風化促進法を調べたい旨入れます。

ree

  • ブラウザが立ち上がって、動作が見えます。

ree



  • 何度か失敗するので見てみると、検索式のAND/ORの入れ方を知らないので、教えてあげます。

ree


  • こんな感じで出てきました。


    ree

  • 最終結果です。

    ree


  • ウェブ上ではgoogle patentsLens.orgが使いやすいですが、Playwright MCPならばパスワードが必要なDBであっても(当然正当なID/パスワードですが)使えるので、自分の使いやすい・慣れたDBまで道具として使える範囲が広がるのがいいな、と思いました。


4.参考

参考で、MCPで取った情報を使って作ったレポートです。


調査対象

  • テーマ: 岩石風化促進法関連技術

  • 検索対象: 国内文献(特許・実用新案)

  • 検索日: 2025年 9 月


使用した検索キーワード

岩石風化促進/AB + 岩石風化/AB + 風化促進/AB + 岩石分解/AB + 岩石溶解/AB + 岩石処理/AB

検索結果

ヒット件数

  • 国内文献: 7 件

  • 外国文献: 0 件

  • 非特許文献: 対象外

検索結果一覧

No.

文献番号

発明の名称

出願人

出願年

ステータス

1

特開 2024-125270

油圧衝撃機器を加熱するための設備および方法

サンドヴィック マイニング アンド コンストラクション オーワイ

2024

審査中

2

特表 2024-532419

風化促進を使用する炭素隔離のためのシステムおよび方法

イエール ユニバーシティ

2022

審査中

3

特許 4809501

岩石スラッジケーキ再処理装置

金 鍾根

2011

特許(消滅)

4

特開平 01-111000

石工品の梨地表面

水口 強一 他

1987

-

5

特開昭 60-148903

弾性舗装材

株式会社ダイフレックス

1984

-

6

特開昭 55-003743

とうふこんにやく

水島食品株式会社

1978

-

7

特開昭 53-086306

表面コーティング粒状培土

共立窯業原料株式会社

1977

-

技術動向分析

1. 技術分野の多様性

岩石風化促進法は、予想以上に多様な分野で応用されていることが判明しました:

🔧 鉱業・建設分野

  • 油圧衝撃機器の加熱技術(2024 年)

  • 鉱山機械の効率化とメンテナンス向上を目的とした技術

🌱 環境技術分野

  • 炭素隔離システム(2024 年)

  • イエール大学による気候変動対策技術

  • 風化促進を活用した CO2 固定技術

♻️ 材料処理分野

  • 岩石スラッジの再処理(2011 年)

  • 産業廃棄物の有効活用技術

🏗️ 建築・装飾分野

  • 石工品の表面処理(1989 年)

  • 建築材料の美観向上技術

🛣️ 舗装技術分野

  • 弾性舗装材(1985 年)

  • 道路舗装の耐久性向上技術

🌾 農業分野

  • 培土の表面コーティング(1978 年)

  • 農業生産性向上技術

2. 時系列での技術発展

1970年代後半 → 農業・食品分野での応用開始
1980年代     → 建築・舗装分野への展開
2010年代     → 環境・リサイクル技術への応用
2020年代     → 炭素隔離・環境技術への最新応用

3. 注目すべき最新技術

🌍 イエール大学の炭素隔離技術

  • 文献番号: 特表 2024-532419

  • 技術名: 風化促進を使用する炭素隔離のためのシステムおよび方法

  • 出願年: 2022 年(国際出願)

  • 分類: C01B32/50, C02F1/58@Z

この技術は、岩石風化促進を気候変動対策に応用した革新的なアプローチとして注目されます。

検索プロセスのポイント

1. 論理式の構文

JplatPat では以下の構文を使用:

  • OR 検索: + 記号

  • AND 検索: * 記号

  • 検索フィールド指定: /AB(要約・抄録)

2. キーワード選定のコツ

  • 関連用語を幅広く収集

  • 同義語・類義語を考慮

  • 技術分野の専門用語を網羅

3. 検索結果の分析

  • 時系列での技術発展を把握

  • 出願人の多様性を確認

  • 技術分類(FI)から応用分野を推測

今後の展望

技術発展の方向性

  1. 環境技術への集中: 炭素隔離技術の重要性が増大

  2. 国際的な技術交流: PCT 出願の増加

  3. 学術機関の参入: 大学・研究機関の技術開発

注目すべき分野

  • 気候変動対策技術

  • カーボンニュートラル関連技術

  • 持続可能な材料開発

まとめ

今回の JplatPat 検索テストを通じて、岩石風化促進法が単なる材料処理技術から、環境問題解決のための重要な技術へと進化していることが明らかになりました。

特に、イエール大学の炭素隔離技術は、従来の岩石風化促進技術を気候変動対策に応用した革新的なアプローチとして、今後の技術発展の方向性を示唆しています。

特許情報の調査は、技術動向の把握だけでなく、新たな技術開発のヒントを得る上でも非常に有効な手段であることが実感できました。

参考リンク

 
 
 

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