LLMのモデル名予測
- NISHIO KEI
- 11 分前
- 読了時間: 7分
1.まとめ
LLM提供各社が出すモデル名を予測してみました。
2.各社のモデル名分析
まずは現行から見てみます。
QWENて「通義千問」の後半部分なんですね。格好いい
モデル名 | 提供元 | 由来・系統 | 意味・意図 |
GPT-5.6 Sol / Terra / Luna | OpenAI | ラテン語・ローマ神話 | 太陽/大地/月。上位→標準→軽量の序列を天体で表現 |
Atlas | World Labs | ギリシャ神話 | 天球を支える巨人+「地図帳」の二重の意味。空間・世界モデルに対応 |
Gemini | ラテン語・星座 | 「双子」=DeepMind と Brain の統合を暗示 | |
Titan | Amazon | ギリシャ神話 | 巨神族。規模・基盤性の強調 |
Hermes | Nous Research | ギリシャ神話 | 伝令神。エージェント/対話の象徴 |
ELMo | AI2 | セサミストリート | 研究コミュニティのジョーク系列の起点(Embeddings from Language Models) |
BERT | セサミストリート | ELMo への返歌。以降シリーズ化 | |
ERNIE | 百度 | セサミストリート+漢語「文心」 | Bert の相棒 Ernie。中国語名との二重構造 |
Big Bird / Grover | Google / AI2 | セサミストリート | 同系列の継続 |
Grok | xAI | 英語圏 SF 文学 | ハインライン『異星の客』の造語「深く理解する」。純粋に物語由来の稀な例 |
Claude | Anthropic | 人名 | 情報理論の父クロード・シャノンへのオマージュ |
Opus / Sonnet / Haiku | Anthropic | 音楽・詩の形式 | 作品形式の長さ=モデル規模の序列 |
Mistral | Mistral AI | 自然現象(仏) | 地中海の北風。フランス発を明示 |
LLaMA | Meta | 動物+頭字語 | Large Language Model Meta AI の語呂合わせ |
Falcon | TII(UAE) | 動物 | 湾岸諸国の国鳥・文化的象徴 |
Qwen | Alibaba | 漢語(通義千問) | 「千の問いに通じる」。ラテン文字化した中国語 |
DeepSeek | DeepSeek | 英語の一般語 | 「深く探る」。機能記述型 |
Marble | World Labs | 英語の一般語 | 3D世界の質感・彫刻素材のイメージ |
3.次のモデル名は?
昔学んだ編集学校での編集型を使って、既存のモデルを色々動かして予測してみました。
提供元 | 既存のネーミング列(地) | 構造の型 | 次に出そうな名前 | 根拠・空白 |
OpenAI | Sol / Terra / Luna | 三位一体(天体・ラテン語) | ◎ Jupiter / Mars / Venus、Stella、Helios | 同心円を外側へ拡張。Helios は Sol の別系統(二点分岐)用 |
Anthropic | Opus / Sonnet / Haiku → Mythos / Fable | 三位一体(詩形)→ 物語形式へ拡張 | ◎ Epic、Saga、Ode、Ballad | 地が「詩形」から「文芸ジャンル全体」に広がった。Epic は Opus の上位を自然に示す |
Gemini(Pro / Flash / Nano)、Gemma | 一種合成(統合)+規模語 | ◎ Orion / Lyra、Castor / Pollux、Onyx | 星座の隣接領域へ横滑り、または双子を分割。Gemma 系なら宝石 | |
xAI | Grok | 英語圏SF(ハインライン) | ◎ Deep Thought、Colossus | 『銀河ヒッチハイク・ガイド』偏愛、DC名に Colossus を既使用 |
Meta | LLaMA | 動物(ラクダ科) | ラクダ科以外の動物、または動物系からの離脱 | Alpaca / Vicuna を学術界に取られ系統が枯渇 |
Mistral | Mistral / Mixtral / Codestral / Pixtral / Magistral | 接尾辞 -stral(風) | ◎ ○○stral の継続、Sirocco / Tramontane | 接尾辞が商標資産化。他の風はまだ空き |
World Labs | Marble → Atlas | 素材 → 神話・地理 | ◎ Gaia、Kosmos、Meridian | 「世界」の語彙へ移行中。ただし Atlas は「使い古し」批判あり |
Sakana AI | Namazu → Fugu | 見立て(社名=魚を地に、魚種の属性を機能に) | ◎ 出世魚(ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ)、Iwashi / Medaka、Koi、Maguro | 魚系にまだ「序列」がない。出世魚は世界に類例のない成長序列体系。小魚はスイミー原点回帰 |
中国勢(Alibaba / 百度 / Tencent 等) | Qwen(通義千問)、ERNIE(文心)、混元、盤古 | 漢字一字凝縮+英字表記 | 悟空、天工系の継続、「智・元・心」を含む造語 | 神話語彙を漢語で押さえる別軌道。西洋古典とは交差しない |
新規プレイヤー(空白体系狙い) | — | ないものフィルター | ◎ Forte / Mezzo / Piano、Helium / Carbon / Iron、Abyss / Pelagic / Littoral、Odin / Thor / Loki | 音楽強弱記号・元素・深海・北欧神話は三段序列を内包しつつ未使用 |
より発展させて
① 三間連結型(テーマ→地を決め、切り口を揃えた3要素)
三つ組 | 【地】 | 想定用途 |
〔Forte〕→〔Mezzo〕→〔Piano〕 | 音の強弱 | 大・中・小 |
〔Allegro〕→〔Andante〕→〔Adagio〕 | テンポ | 速度優先→精度優先 |
〔Summit〕→〔Ridge〕→〔Base〕 | 登山の高度 | 上位→軽量 |
〔Hadal〕→〔Abyssal〕→〔Pelagic〕 | 海の深度 | 推論の深さ |
〔Ebb〕→〔Neap〕→〔Spring〕 | 潮汐の強さ | 出力量の制御 |
〔Tenor〕→〔Alto〕→〔Soprano〕 | 声域 | 用途別の声色 |
〔Granite〕→〔Slate〕→〔Chalk〕 | 岩石の硬度 | 堅牢→柔軟 |
〔Iron〕→〔Carbon〕→〔Helium〕 | 原子番号 | 重厚→軽量 |
〔Cathedral〕→〔Chapel〕→〔Shrine〕 | 建築の規模 | 大→小 |
〔ブリ〕→〔ワラサ〕→〔イナダ〕 | 出世魚の成長 | 同一系統の世代 |
〔真打〕→〔二つ目〕→〔前座〕 | 落語の身分 | 和語の序列(Shin-uchi等) |
② 階層づくり(同心円型/積層型、5段)
同心円〈度〉到達範囲:Core → Orbit → Halo → Nebula → Void(ローカル実行〜分散クラスタ)
積層〈期〉モデルの成熟:Seed → Sprout → Bough → Canopy → Forest(Sakana 的な「育てる」思想に合う)
積層〈位〉知の階梯:Apprentice → Journeyman → Master → Grandmaster → Sage
同心円〈相〉光:Ember → Glow → Blaze → Corona → Nova
③ 二軸四方型(中心A+四方)
中心【AIモデル】を「速度×深さ」で四方に:
速く浅い=Dart/速く深い=Falcon(既使用→Kestrel)/遅く浅い=Moss/遅く深い=Whale
気づき:既存の三段序列は「速く浅い⇄遅く深い」の対角線しか使っておらず、残り2象限(速くて深い/遅くて浅い)に名前がない。「Kestrel」枠(高速推論の上位)が次の激戦区。
④ 見立て(社名・思想を地にした Sakana -AI型の横展開)
企業の地 | 見立て候補 |
Mistral(風) | Zephyr、Bora、Sirocco、Foehn、Chinook |
Meta(超越) | Beyond、Ultra は使用済→ Hyperion、Prism |
Anthropic(人間中心) | Persona、Ethos、Logos、Pathos(修辞学三要素で三段) |
xAI(SF) | Marvin、Zaphod、Arthur(ヒッチハイク登場人物) |
Sakana(魚) | Ayu(清流=クリーン)、Unagi(滑る=ストリーミング)、Same(鮫=止まらない) |
⑤ ミメロギア(対比の形容を付けた一対)
「燃える Ember、凍る Glacier」→ 高温度/低温度サンプリングの対モデル
「駆ける Kestrel、佇む Heron」→ 高速/熟考
「群れる Iwashi、一匹の Kujira」→ 分散小型/単一巨大
「土着の Namazu、回遊の Maguro」→ 国内特化/グローバル
⑥ ありえない言葉(形容+目的語、○★)
「小さな巨人」★ → 軽量高性能モデルのブランド語(Tiny Titan)
「静かな雷」○ → 低レイテンシ推論(Silent Thunder → Hush)
「深い浅瀬」★ → 高速なのに推論が深い=④の空白象限(Shoal)
「熱い氷」→ 創造的だが再現性が高い(Glaze)
「透明な壁」○ → ガードレール付きモデル(Pane)
⑦ 「の」の入れ替え
「星の名前」→「名前の星」☆:名前自体を星座化する(Anthropic が Claude Fable を出したように、名前が物語になる)
「魚の群れ」→「群れの魚」:群れ全体を一匹と呼ぶ=Fugu 型オーケストレーションの命名論理
「風の速さ」→「速さの風」:Mistral が速度重視モデルを「Gale」と呼ぶ根拠
⑧ ことわざづくり(意味→別の喩え)
「小さなモデルが大きな性能を出す」(山椒は小粒でぴりりと辛い)→ Sansho、Wasabi、Chili
「複数を束ねて一つに」(三本の矢)→ Arrows、Sheaf、Bundle
「時間をかけて熟成」(石の上にも三年)→ Aging、Vintage、Koji(麹=発酵知能)
⑨ たくさんの「わたし」(モデルの自己記述→名詞を名前に)「私は夜通し働く灯台である/潮を読む羅針盤である/何でも編む織機である/忘れない司書である/音を合わせる調律師である/流れを裁く堰である/影を映す鏡である/道を刻む石工である」→ Lighthouse、Compass、Loom、Librarian、Tuner、Weir、Mirror、Mason
⑩ インタースコア(モデル能力×別領域の目盛り=5段)
能力階梯 × 茶道の位:1 入門 Nyumon/2 小習 Konarai/3 茶通箱 Sa-tsu-bako/4 台子 Daisu/5 真台子 Shin-daisu新視点:和語序列は「上に行くほど型が減って自由になる」ので、「制約が少ない=上位モデル」という西洋の Pro/Ultra とは逆向きの意味を持たせられる。
⑪ 略図的原型からの逆算(命名の骨格「序列+出自+比喩」を保ったまま体系を差し替え)
体系 | 三段 |
将棋の駒 | Ohsho → Hisha → Fu |
和紙 | Torinoko → Hosho → Mino |
季語 | Kigo 系:Shimo(霜)/ Kasumi(霞)/ Nagi(凪) |
東洋の方位神 | Genbu / Seiryu / Suzaku / Byakko(四方型に最適) |
曼荼羅 | Kongo(金剛)/ Taizo(胎蔵) |
まとめ:型別の生産性
型 | 出た候補数 | 特に強い用途 |
三間連結 | 11組(33語) | 三段序列の体系探し |
階層づくり | 4系列(20語) | 5段以上の細かい階層 |
二軸四方 | 4語+空白発見 | 未命名の象限を見つける |
見立て | 15語 | 企業の思想に紐づく名 |
ありえない言葉 | 5語 | 一語ブランド、逆説型 |
「の」入れ替え | 3の論理 | 命名の発想の向きを変える |
ことわざ・わたし | 17語 | 単発の一語名 |
インタースコア・原型逆算 | 5段+5体系 | 和語で差別化 |
特に収穫が大きかったのは二軸四方で見つけた「速くて深い」象限の空白と、インタースコアで出た「上位ほど制約が少ない」という和語序列の逆向き意味です。この二つは既存のどの命名列にも埋まっていません。
各社色々考えてるんだなーというのがよく理解できました。次のモデル名をどうやって決めたのか、という観点で見てくと何をする予定なのか、見えそうです。
