特許請求の範囲のツリー作成
- NISHIO KEI
- 7月17日
- 読了時間: 4分
1.はじめに
特許請求の範囲のツリーを可視化するアプリを作成しました。
「グループ化」機能で、複数請求項をまとめあげたり、「簡略化」機能で分説した構成を簡略化できます。

2.操作
READMEを作成しました。
概要
本アプリケーションは、特許請求の範囲のテキストを解析し、視覚的なツリー構造に変換するツールです。ドラッグ&ドロップによる直感的な編集や、AIによるテキストの簡略化・グループ化機能を通じて、複雑な特許情報の分析・整理を強力にサポートします。
主な機能
テキストのツリー化: 特許請求の範囲のテキストを意味的な階層構造に自動変換します。
直感的な編集: ドラッグ&ドロップ、ノードの追加・編集・削除が簡単に行えます。
AIによる簡略化: 各ノードのテキストをAIが約10文字に要約し、表示を切り替えられます。
AIによるグループ化: 複数の請求項ツリーをAIが意味的に分析し、関連性の高い要素をまとめて一つのツリーに統合します。
状態の保存・復元: 作成したツリー構造をJSONファイルとしてダウンロードしたり、ファイルから読み込んだりできます。
使い方
1. テキストの入力
画面左側のテキストエリアに、特許請求の範囲のテキストを貼り付けます。
入力形式: 出願番号 [半角スペース] 請求項テキスト の形式で入力してください。
出願番号は任意ですが、入力するとツリーに表示されます。
複数の出願を一度に処理する場合は、改行で区切って入力します。
入力例:
T2024-123456 【請求項1】情報を記憶する記憶手段と、前記情報を処理する処理手段とを備える情報処理装置。
P2023-987654 【請求項1】表示画面と、前記表示画面を制御する制御部とを備える電子機器。
2. ツリーの生成
テキスト入力後、**「ツリーを生成」**ボタンをクリックします。
処理が完了すると、画面右側に解析されたツリー構造が表示されます。
ツリーが既に存在する場合、ボタンは**「ツリーを再生成」**に変わります。クリックすると、現在のテキスト内容でツリーが作り直されます。
3. ツリーの操作
ツリーの各ノードは、マウス操作でインタラクティブに編集できます。
(1)ノードの移動 (ドラッグ&ドロップ)
移動したいノードをドラッグし、移動先の親ノードの上でドロップすると、その子として移動します。
(2)ノードの編集・削除・追加
ノードにマウスカーソルを合わせると、右上に操作アイコンが表示されます。
[+] ボタン: 新しい子ノードを「新規ノード」として追加します。
[鉛筆] ボタン: ノードの内容を編集モードに切り替えます。「保存」「キャンセル」で操作を完了します。
[ゴミ箱] ボタン: 確認ダイアログの後、ノードを削除します。
(3)階層の折りたたみ
子ノードを持つノードの左側にある ▼ アイコンをクリックすると、そのノード以下の階層の表示・非表示を切り替えられます。
4. 高度な機能(AI活用)
(1)簡略化
ツリーが存在する状態で、左パネルの**「簡略化」**ボタンをクリックします。
AIが各ノードのテキストを約10文字に要約します。
簡略化表示中は、ノードにマウスオーバーすると元の全文がツールチップで表示されます。
ボタンは**「元の文章を表示」に変わり、クリックすると通常表示に戻ります。再度クリックすると「簡略表示」**に切り替わります。
(2)グループ化
2つ以上のツリーが存在する状態で、**「グループ化」**ボタンをクリックします。
AIがすべてのツリーのノードを意味的に分析し、関連性の高い要素(例:「記憶手段」「処理手段」など)を新しい親ノードの下にまとめて、一つの統合ツリーを生成します。
処理後、表示エリア上部に**「グループ化後」「グループ化前」**のタブが表示されます。
タブを切り替えることで、AIによって再編成されたツリーと、元のツリーを見比べることができます。
グループ化後: 編集可能なツリーです。
グループ化前: 参照専用(読み取り専用)のツリーです。編集操作はできません。
5. データの保存と読込
(1)JSONをダウンロード:
現在表示しているツリーの状態をpatent-claims-tree.jsonというファイル名で保存します。
グループ化後に「グループ化前」タブを表示している場合は、元のツリーが保存されます。
(2)JSONをロード:
ボタンをクリックして、以前に保存したJSONファイルを選択します。
ファイルの内容が現在のツリーに反映されます。3.その他
ほぼGoogle AI StudioのBuild機能で作れました。
GEMINI_API_KEYの設定が不要なのと、すぐCloudRunにデプロイできるので便利ですね!



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