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特許調査用のAIエージェント

更新日:6 日前

0.AIに記事を書いてもらいました

  •  前の記事を要約具体化して、google-adkを使ってAIエージェントを作りました。レポジトリを作って力尽きたので、以下Cursor+geminiにレポジトリ情報を使って解説記事を書いてもらいました。「圧倒的」とか新製品紹介みたいになって面白かったです。

  •  APIキーをハードコードしてpushしてしまったので、別途削った後にレポジトリはpublicにしようと思いますm(_ _)m

  • レポジトリはこちら



1.はじめに

  •  新しい技術を開発する上で、特許調査は避けては通れない重要なプロセスです。しかし、これまでの特許調査は高度な専門知識が求められ、膨大な文献を手作業で確認する必要があるため、多大な時間と労力がかかる大きな負担となっていました。

  •  今回ご紹介する「ps_agent」は、そんな特許調査のあり方を根本から変える、革新的なAIシステムです。Googleの最新AIであるGeminiと、AIエージェント開発キット(ADK)を活用し、技術調査から先行技術の検索、さらにはレポート作成までを一貫して自動化。特許調査の劇的な効率化を実現します。


2.ps_agentとは何か?〜複数のAIが連携する自動調査システム〜

  •  ps_agentは、単一のAIではありません。複数のAIエージェントがそれぞれ専門的な役割を担い、連携して特許調査を進めるシステムです。人間の専門家チームが分業して調査を行うように、AIエージェントたちが順次処理を行うことで、複雑な特許調査のワークフローを自動で再現します。

なぜ「エージェント」なのか?

「エージェント」とは、特定の目的を持って自律的に行動するAIプログラムを指します。ps_agentでは、以下のような専門エージェントたちが協力し合います。

  • 技術理解エージェント: 調査対象となる技術の内容を深く分析します。

  • 検索エージェント: 先行技術を効率的に検索します。

  • 比較エージェント: 調査技術と先行技術の類似点・相違点を洗い出します。

  • レポート作成エージェント: 全ての調査結果を分かりやすいレポートにまとめます。

これらのエージェントが連携することで、人間の専門家が行う複雑な思考プロセスを模倣し、精度の高い調査を実現するのです。

 

 例えば一連の流れの中で実際の調査を担うエージェントは以下のようなものです。

patents_search_agent = Agent(
    name="patents_search_agent",
    model="gemini-2.5-flash",  # APIキーでアクセス可能なモデルに変更
    description="企業名から、その企業に関連する特許を検索します。",
    instruction="""
    * あなたは優秀な特許検索者です。
    * 最初に、'search_google_patents'ツールを使って、特許を検索してください。
    * 検索結果の情報から、文献が調査対象の技術に関連する可能性が高いと判断した場合、'get_patent_detail'ツールを使って、publication_number_or_patent_numberパラメータに公開番号(publication_number)または特許番号(patent_number)を指定して特許の詳細情報を取得してください。    
    * publication_number_or_patent_numberは、調査結果のうち、公開番号(publication_number,publication_id)または特許番号(patent_number)に対応しています。
    * 最後に、調査対象に関連すると判断した文献の情報を検索結果を出力してください。
    """,
    generate_content_config=types.GenerateContentConfig(
        temperature=0.2, max_output_tokens=40960  # More deterministic output
    ),
    output_key="patents_search_result",
    tools=[patents_tool, patent_details_tool],
)

3.ps_agentを支える3つの構成要素

 ps_agentの高度な機能は、主に以下の3つの要素によって支えられています。

(1)メインエージェント(root_agent)

システムの中核を担うのが、root_agentと呼ばれるメインエージェントです。これは「SequentialAgent」という種類のエージェントで、8つの専門エージェントを決められた順番で実行させる司令塔の役割を果たします。これにより、調査プロセス全体が滞りなく自動で進みます。


(2)専門ツール群

各エージェントは、特定のタスクを実行するための「ツール」を使いこなします。ps_agentには、特許調査に特化した強力なツールが揃っています。

  • 検索ツール

    • GooglePatentsSearchTool: Google特許データベースを直接検索します。

    • ConceptSearchTool: キーワードだけでなく、技術の「概念」で検索し、関連特許を見つけ出します。

    • Google Search: 一般的なウェブ検索を行い、幅広い情報を収集します。

  • 文書処理ツール

    • extract_content_from_pdf: PDF形式の特許文献から必要な情報を自動で抽出します。

    • extract_search_subject_from_image: 図面などの画像データから技術情報を読み取ります。

  • 情報取得ツール

    • get_app_progress_api: 特許出願の審査状況などを取得します。

    • GetPatentDetails: 特許公報の詳細な情報を取得します。


例えば、概念検索を行うToolは以下のようなものです。


class ConceptSearchTool:
    """
    概念検索を使ってGoogleパテントを検索するためのツール。
    """

    name = "concept_search"
    description = "query=を使って関連特許文献を検索します。 【注意】queryは常に英語で入力される必要があります。"

    def __init__(self):
        """
        __init__では、シリアライズ可能な単純な値のみを扱います。
        """
        # APIキーを環境変数から取得するか、直接設定します
        # self.api_key =
        self.api_key = os.environ.get("PQAI_API_KEY")
        print("--- ConceptSearchTool initialized ---")

        self.__name__ = self.name

    def __call__(self, query: str) -> list:
        """
        エージェントからツールが呼び出されると、このメソッドが実行されます。
        """
        # APIのエンドポイントURL
        url = "https://pqai-api.p.rapidapi.com/search/102/"

        querystring = {
            "q": query,
            # "lq": "unmanned",
            "n": "10",
            "offset": "0",  # offsetを0に変更
            # "index": "H04W",
            "after": "2000-01-01",
            # "before": "2019-12-31",
            "type": "patent",
            "snip": "true",
            # "maps": "true",
        }

        # ヘッダー情報
        headers = {
            "x-rapidapi-host": "pqai-api.p.rapidapi.com",
            "x-rapidapi-key": self.api_key,
        }

        try:
            print(f"API呼び出し開始 - query: {query}")
            print(f"URL: {url}")
            print(f"パラメータ: {querystring}")

            # GETリクエストを送信
            response = requests.get(
                url, headers=headers, params=querystring, timeout=30
            )

           ##以下エラー処理なので略###

(3) 構造化されたデータモデル

 ps_agentは、TechnologySurveyContents(技術調査内容)やPriorArtContents(先行技術内容)といった、構造化されたデータモデルを用いて情報を整理します。これにより、収集した特許情報が体系的に管理され、後のエージェントが効率的にデータを引き継いで処理を進めることができます。

 データモデルは、生成AIの出力結果を統制するのに役立ちます。必ず特定の形式で出力するように指定できます。

 例えば、調査対象を記述するデータモデルは下記のような形になります。

class PriorArtContents(BaseModel):
    """先行技術の内容を表すデータモデル"""
    technical_objective: str = Field(description="技術的目的")
    technical_fields: str = Field(description="技術分野")
    problem_to_solve: str = Field(description="解決しようとする課題")
    TechnicalFeatures: List[str] = Field(description="技術的特徴のリスト")
    effect: str = Field(description="効果")


4.特許調査はどのように自動化されるのか?5つのステップ

ps_agentによる自動化プロセスは、以下の5つのステップで進行します。

  • ステップ1:技術の理解と分析 最初に「understanding_the_technology_under_investigation_agent」が、調査対象技術の目的、技術分野、解決したい課題、特徴、期待される効果などを整理・分析します。

  • ステップ2:多様な手法による網羅的検索 次に、複数の検索ツールを駆使して、包括的な調査を行います。

    • 概念検索: 「自動運転車の安全性向上技術」といった抽象的な概念で検索することで、キーワードが一致しない関連特許も見つけ出します。

    • Google特許検索: 企業名や技術分類を指定して、Googleの広範な特許データベースから関連情報をピンポイントで探します。

    • ウェブ検索: 特許庁の公開情報や最新の技術動向など、データベース以外の情報も収集し、調査の幅を広げます。

  • ステップ3:文書内容の自動抽出 発見した特許文献(PDF)からextract_content_from_pdfツールが、発明の名称、技術分野、課題、効果、請求項といった重要項目を自動で抜き出します。図面などの画像からもextract_search_subject_from_imageツールが情報を抽出します。

  • ステップ4:技術の比較と分析 compare_agentが、調査対象の技術と見つかった先行技術を詳細に比較。技術的なアプローチや構成要素の共通点、実装方法の違いや新規性のある要素といった相違点を明確にします。

  • ステップ5:専門的なレポートの自動生成 最後にreport_format_agentが、これまでに収集・分析したすべての情報を統合し、専門的な特許調査レポートを自動で作成します。レポートには、調査目的、結果概要、詳細な比較分析、調査範囲などが体系的にまとめられます。


5.ps_agentの技術的な強み

(1) 高速・高精度な「Google Gemini 2.5 Flash」を搭載

 ps_agentは、Googleの最新AIモデル「Gemini 2.5 Flash」を中核に採用しています。これにより、以下の利点を実現しています。

  • 高速処理: 従来モデルよりも高速なレスポンス。

  • 高精度: 複雑な特許技術の深い理解と的確な分析能力。

  • 多言語対応: 日本語・英語の両方でスムーズな処理が可能。

  • 構造化出力: 情報をJSON形式で整理して出力し、システム連携を容易に。


(2) 安定した動作を支えるエラー処理

 API呼び出しの失敗やネットワークエラーが発生しても、システムが停止しないよう堅牢に設計されています。例えば、検索ツールはエラー時に検索条件を簡素化して自動で再試行するなど、安定した運用を可能にする工夫が凝らされています。


(3)セキュアな設定管理

APIキーなどの重要な設定情報は環境変数で管理されており、セキュリティとメンテナンス性を両立しています(これは当然と思う)。


(4)従来手法との比較で見るps_agentの圧倒的メリット

項目

従来の手法

ps_agentの利点

時間

数日~数週間

数分で完了

稼働

人の作業時間に依存

24時間365日稼働可能

網羅性

人的ミス・見落としのリスク

複数の検索手法で網羅的

コスト

高額な専門家人件費

人的コストを大幅に削減

品質

担当者によりばらつき

常に一貫した品質を保証



6.未来への展望:ps_agentのさらなる可能性

 ps_agentは、今後さらに発展していく可能性を秘めています。

  1. 特定技術分野への特化: AIやバイオテクノロジーなど、特定の分野に特化したエージェントの開発。

  2. 多言語対応の強化: 中国語や欧州言語など、対応言語の拡大。

  3. リアルタイム監視機能: 新規出願をリアルタイムで監視し、競合の動向を自動で追跡。

  4. 予測分析機能: 特許データを分析し、未来の技術トレンドを予測。



7.まとめ:特許調査の「民主化」がイノベーションを加速する

 ps_agentは、AI技術を駆使して特許調査を自動化する、まさにゲームチェンジャーと言えるシステムです。複数の専門AIエージェントが連携し、人間の専門家が行う複雑なプロセスを再現することで、調査の効率と精度を飛躍的に向上させます。

 このシステムの最大の価値は、**特許調査の「民主化」**にあります。これまで専門知識と多大なリソースを必要とした特許調査が、AIによって誰でも手軽に利用できるようになるのです。これにより、リソースが限られる中小企業やスタートアップでも、大企業と対等なレベルで知財戦略を立てることが可能になります。

 技術革新のスピードが加速する現代において、迅速かつ正確な情報収集は企業の競争力を左右します。ps_agentのようなAI特許検索システムは、技術開発のリスクを低減し、イノベーションを促進する不可欠なパートナーとなるでしょう。AI技術の進化とともに、その役割はますます重要になっていくはずです。

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所在地 神奈川県横浜市都筑区中川中央1-30-1プレミアヨコハマ3階 49番

代表者 西尾啓

設立年月日 2017/11/1

資本金 100万円

事業内容 知的財産情報の収集加工提供

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